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萬年宅は万年汚部屋

筋金入りのオベヤリーナが美部屋を目指すブログ

仏間のピアノを手放すまでの経緯

ニッチな話で恐縮ですが、タイトル通り、我が家の仏間に鎮座していたアンティークピアノを手放すまでの経緯です。八割方愚痴なので、心と時間に余裕のある方だけご覧ください(笑)

うちのピアノ部屋には、ヤマハの白いアップライトピアノと夜間練習用の電子ピアノが置いてあります。前者は私がピアノを習い始めてから現在に至るまで、実に27年間も苦楽を共にしてきた相棒です ↓

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ところで、学生時代アンティーク家具に嵌った私は、一時期とあるアンティークショップに隔週くらいで通い詰めてました。そこで見つけたのがこれ。100年以上前のイギリスのピアノ(スマホ画質ですみません) ↓

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店頭で鳴らしてみると、なんとも円やかで可愛い音が。ただ88鍵じゃなく85鍵なので、リストやラフマニノフを弾くには鍵盤が足りない。でもJ.S.バッハ平均律を弾いたら、これがどエラい嵌るんです。しばらく迷った結果、観賞用兼バロック〜古典派の遊び弾き用として我が家へ迎えることにしました。

以来ずっと仏間に置いてたんですけども、最近になって、ちょっとした問題が発生いたしました。というのも、仏間と居間の境目の辺りにソファベッドを据え、そこで母が寝起きしているのですが、新入りの猫が物凄くやんちゃで、夜中に走り回っては寝ている母の顔面を全力で踏んづけて行くんです。

亡き祖母が昔、猫に目の上を踏まれて失明しかけたことがあるため、「こりゃちょっとマズいぞ……」と。しかしソファベッドを安全な壁際に設置するとなると、どうしてもピアノが部屋からあぶれてしまう。散々悩んだ末、母の安全と猫たちの動線のために、泣く泣く手放す覚悟を決めたのでした。

初めに問い合わせたのは、大手のピアノ買取業者。無名メーカーで状態も良くないため、買取不可で逆に処分料が4万円掛かるとのこと。担当の女性(感じの良い方だった)曰く、「引き取り後はおそらく解体して部品取り用になるので、愛着のあるピアノなら今回当社のご利用はあまりお勧めしませんよ」。そこで次に、アンティークや骨董系の買取業者を当たってみることにしました。

ちなみに購入先のアンティークショップは、既に閉店済。他に馴染みのショップもないので、とりあえずネットで見つけたアンティーク専門業者に電話してみました。「写真を送ってください」と言われたので、外観やメーカーロゴ、塗装の傷んだ部分など撮影し、メールで送信。その後、あまり間を置かずに「査定の結果、買取価格は1万円です」と返信が。

正直な話、金額はどうでも良かったんです。ただゴミとして廃棄する気は毛頭なく、どなたか可愛がってくださる方の手に渡るよう、それなりの販売ルートを持っている所に引渡すことさえできれば。

ところが、査定結果のメールに「よろしくお願いします」と返信した後、引渡しの手段や日程について、待てど暮らせど連絡がないんですよ。1週間経って「あの件どうなりました?」と電話したら、事務の方らしき女性から「担当の者が折り返し連絡します」とお返事が。

その日の夜遅く、自宅の電話に着信がありました(携帯へ連絡してって言ったのに!)。軽〜い調子で「二人で運べますよね?」と仰るので、「サイズは普通のアップライトだけどクッソ重いですよ。購入時に手配したピアノ配送業者も相当苦労してたし、前の路地から玄関までに階段もあるから、素人二人じゃ無理。うち男手ないから手伝えないよ」と、しつこいくらいに念押し。まあとにかく引き取りに行きます、とのことなので、引渡し当日は念のため有給を取って待機することにしました。

……察しの良い方は、先の展開に薄々お気づきかと思います。やってきた車、ちょっと大きめの普通のバンでした。あんなクソ重い物、リフトもなしでどうやって積み込むんだよ。しかも本来配送を請け負ってるのは男性一人だそうで、その方が臨時の手伝いとして別の男性を連れてこられたんですが、そいつの態度が信じられないくらい悪いんです。2時間半で7〜8回はブチ切れそうになったわ。

案の定、この二人では持ち上げることすらできず、困り果てた配送業者さん(私が依頼した業者の下請け業者らしい。この方はマトモだった)が買取業者に連絡。直後、うちに担当者から電話が掛かってきました。「話が違う。二人で運搬できないなら買い取らない」ですと(笑)

オイオイそりゃこっちの台詞だよ、と思いつつ、「重量については散々念押ししたよ。こちとら仕事休んで日程空けてたんですが。第一メールで査定結果送ってきてたでしょ。運べなければ買取不可とか現地で再査定とか一切説明受けてないけど、この段階で一方的に反故にするってどうよ?」……との旨、なるべく穏やかにお尋ねいたしました。

以下、担当者の言い分。「配送にこれ以上人員を割くと赤字になるから買い取り拒否する。お宅に手伝える人いないし仕方ないでしょ。査定結果のメールはあくまでも目安。重量について念押ししたっていうけど、その時お宅に電話したのは自分じゃないから知ったこっちゃねーっす。ウチの代表番号に掛けて『担当者から折り返します』と言われた? 知らん。とにかくテメーで勝手に他所当たれや」(意訳)。慇懃無礼なんてもんじゃありませんでしたよ。始終逆ギレ全開の、ストレートに無礼な話しぶりでした。

これには母ともども、腸煮えくり返りましてね。しかもこの担当者、鍵盤が本象牙だと知った途端、「何? 象牙? じゃあ引き取ります。お宅でバラバラに解体すれば二人で運べるし」と。つまり象牙だけ引っ剥がして売り、ピアノ自体はそのまま捨てるって言うんですわ。それが嫌だからピアノ買取業者を断ってアンタんとこへ依頼したんでしょうが。

何にせよ、こんないい加減な業者に私の可愛いピアノは任せられません。もし今後他のアンティーク家具を手放すことがあっても、絶対ここには買取依頼しねーぞ。結局手ぶらで引き上げていく配送業者さんと、臨時手伝いの胸糞男。何一つ収穫のない、不毛で馬鹿げた2時間半でした。

……と思いきや。

暫くして、配送業者さんから電話が掛かってきまして(「先程の……」と仰るので、ついうっかり「ああ、先程来ていただいた無礼じゃないほうの方ですね」と言ってしまった)。どうも、流石に悪いと思ったのか、アンティーク家具や楽器の買取業者を個人的にいくつか当たってみてくれたらしいんです。買い取れるかも、という所が一軒だけあったので、そちらと話してみたらどうでしょうか、と。

丁重にお礼を申し上げ、早速連絡してみました。先方は確かに買取はやってるけども、業者ではなくピアノの調律やリペア・オーバーホールなど手掛けておられる工房だそうです。今から拝見しに伺って良いですか、と仰るので、二つ返事でお願いしました。

来てくださったのはそこの代表の、とても感じの良い調律師さん。実物をご覧いただいた結果、値段こそ付かないものの、配送料など一切負担なしで引き取っていただけることになりました。

特殊なパーツが多いピアノで、外装の一部にかなり目立つ欠損があったりもして、塗装まで含めて完全にリペアするなら相当な時間と手間が掛かるらしいです。でも無料引き取りで良いなら、他の仕事の合間にちまちま仕上げて誰か欲しい人の手に渡るようにします、とのこと。ほんと願ったり叶ったりというか、ムカつく業者と売買成立しなくて逆に良かったというか。

正直、この工房さんにとっては、利益出ないどころか完全に持ち出しだと思うんですけどね。しかも作業経過を写真で知らせてくださる上、アップライトピアノをもう一台持っていると言ったら、「買取価格が付かない代わりに、そのピアノ調律しますよ」と。あなたは神か……!

汚部屋ゆえここ数年調律を頼めておらず、近々ピアノの先生に相談して、信頼のおける調律師さんを紹介していただこうと思ってた所だったんです。アンティークピアノの件と調律師さん探し、まさか二つの懸案事項が一気に片付くとは。

あとは引渡しの日を待つのみ。今は弾き納めってことで、平均律を1巻1番から順に弾いていってるところです。思い入れの詰まったピアノなので本当に本当に名残惜しいですが(正直音はヤマハより断然好きなんです)、きちんとメンテして貰って誰か可愛がってくださる方のもとへ行くなら、このピアノにとってもそれが一番良いよね……。

引渡しの翌日、ピアノ部屋のアップライトを調律に来てくださるそうなので、明日は茶菓子を仕入れに行ってきます。それとお礼の菓子折り。県外の方にお渡しするならたねやが鉄板なんだけど、同県人だともはや見飽きてそうだし、どうしようかな。

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